桜雲窯 松田 あきこ
九谷焼の伝統技法、”型打ち”を生かし、岩手らしい風合いの白磁をつくる、桜雲窯・松田あきこさん。
現在は、岩手県盛岡市に工房を構え、制作を続けています。
【松田さんの工房にて】
松田さんが九谷焼の技法を学び、修行をしたのは石川県加賀市にある妙泉陶房。宮内庁御用達でもあるこちらの工房で九谷焼の素地を作っている山本篤氏に師事し、”型打ち”と呼ばれる伝統技法を学んできました。
【工房にはさまざまな型が並んでいます】
型打ちとは、ロクロで成形したものを型の上に乗せて、型の模様や造形を写し、素地を作り上げる技法のことです。
薄く、均一な厚さで、かつ、型とぴったり同じサイズでひく必要があるため、技術を要する技法になります。
全国でもこの技法での制作をする工房が減っていく中、松田さんは業界トップの技術を持つ山本氏に学び、独立後は自身の作品の制作に取り組んでいます。
【松田さん制作の珈琲カップ/材料に透過性の高い磁器土を使い、薄く作り上げているため、透き通って見えます】
稜線の美しさと軽い使い心地の良い薄さは、高い技術があってこそ。
繊細な作りから使うのを躊躇してしまいそうですが、どんどん使ってもらいたい、と話す松田さん。
万が一破損してしまったときには、金継ぎのお直しも承ることができます。
岩手から届く九谷焼の確かな技術が詰まった器で、ぜひお食事の時間をお楽しみください。
作家経歴
桜雲窯(おううんよう)・松田あきこ
八幡平市出身。
多摩美術大学に進学後、陶芸の道へ。
京都府立陶工高等技術専門校成型科終了。
石川県の妙泉陶房・山本篤氏に師事し、九谷焼の素地づくりを修業。
2021年盛岡にて開窯。九谷焼の素地づくりとともに、自身の作品として白磁の器づくりに取り組む。