南部鉄器・鉄瓶の基本的な使い方
「鉄瓶の使い方って難しいんじゃないの?何か特別な手入れが必要なのでは?」
初めて使う方はそんな不安もあるかもしれませんが、実はとっても簡単。
鉄瓶の基本的な使い方のポイントを見てみましょう。
1. 水を注ぐ
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「沸かす水はミネラルウォーターの方が良いの?」
というお問い合わせがよくありますが、そんなことはありません。
水道水でも、鉄瓶で沸かすことでカルキのにおいなどが消え、まろやかで鉄分のとれる白湯へと生まれ変わります。
2. お湯を沸かす

IHまたはガスコンロにセットし、弱火〜中火で火にかけ沸騰させてください。
kanakenoの鉄瓶は熱源を問いませんので、反射式ストーブの上やキャンプで使うガスバーナー、炭火や火鉢等でもお使いいただけます。
3. お湯を注ぐ
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サビ防止のため、沸かしたお湯は全て注ぎ切ってください。
多く沸かした際には、保温ポットなどに移しておきましょう。都度沸かす必要がなく、好きな時に白湯を飲むことができるのでオススメです。
IHでご使用の場合、kanakenoの鉄瓶の鉉(つる)は熱くならないので、素手で持つことができます。
※直火の場合は鉉(つる)が大変熱くなりますので、布巾などをお使いください。
※IH、直火ともに鉄瓶の蓋は大変熱くなりますので、取り扱いには十分お気をつけください。
鉄瓶の蓋のつまみに被せる「てつびん帽子」があると便利ですよ◎詳細はこちらをご覧ください。てつびん帽子
4. 余熱で乾かす
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使い切ったら、蓋をあけて乾燥させましょう。余熱ですぐに乾きます。
サビ対策の基本はこれぐらいです。
※鉄瓶が冷めてからは自然乾燥しづらいので、少し空焚きをして中をしっかり乾燥させましょう。
不要なこと⇨洗うこと
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「鉄瓶ってどう洗えばいいんですか?」
という質問もよくいただきますが、実は、鉄瓶は基本的に洗いません。
沸かすものが水だけなので洗う必要がないんです。
特に内側は洗わないでください。
サビにくくするために南部鉄器特有の職人の技によって付けられた”酸化被膜”というものが取れてしまうかもしれません。
もちろん、洗剤も使用しないでください。
外側についても、洗う必要はありません。強く洗ってしまうと、漆のコーティングが取れてしまう恐れがあります。
ちょっと気になる場合は、乾いた布巾でふき取ってみてください。
それでも気になる汚れやシミが付いてしまった場合には、鉄瓶コンシェルジュまでお写真と一緒にお気軽にご連絡ください。
そして鉄瓶を使っていく上で大事なのが、
「湯垢(ゆあか)」が付いていく
ということ。
ずっと洗わずに使い続けていくと、内側に湯垢が付いていきます。
一見、汚くなっていくように思えるかもしれませんが、それが実は「良い鉄瓶」へと育っていく証拠なのです。
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【約2年毎日使っている鉄瓶の内側。湯垢と赤サビが現れ、順調に育っていっています】
湯垢が付着していくと、よりサビづらくなりますし、白湯もよりまろやかな味わいになっていきます。
そして、鉄瓶の外側もまた変化していくもの。
使い続けていくと漆やサビが鉄瓶と馴染んで良い風合いが生まれていきます。
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【左が約2年毎日使用した鉄瓶。右は未使用の鉄瓶】
※鉄瓶の変化は使用方法や環境によって異なります。
こうして、
鉄瓶は「育てていく」
ものなのです。
お使いになるみなさんには、使うごとに趣を変える、鉄瓶の経年変化も一緒に楽しんで いただけたら嬉しいです。

最後にもう一度おさらい。
水道水を沸かして、使い切ったら余熱乾燥して、洗わない。
この基本的な使い方を守っていただければ、特別なお手入れなども不要です。
そして大事なのが鉄瓶の経年変化を楽しむ。
それだけ。
実はとっても簡単な鉄瓶との付き合い方です。
また、もしサビさせてしまっても、kanakenoでは2つのサポートサービスがありますので、ご安心ください。
鉄瓶周りのお役立ちアイテムもご紹介しています。どうぞご覧ください。こちら
鉄瓶を使っている皆さんの様子は「みんなのてつびん時間」をご覧ください。